2023/06/02 10:32

第2回食材について知る、の今回は皆様1度は聞いたことや見た事のある添加物についてです。

添加物とはどんなものなのか、どんなメリットやデメリットがあるのかお伝えしようと思います。

今回はドッグフードに関する添加物について。
ペットフードに含まれている添加物は、一定の栄養素を安定的に摂取出来るよう工夫されており
フードを通じて大切な家族たちの健康に役立っています。
フードに使用されている原材料は、元々は天然、自然の物なので含まれている栄養素の量にバラツキが生じる為
そのバラツキを一定に保つ為に各種添加物を使用し大切な家族の健康にとって様々な役割や働きをしています。

【 添加物の種類について。】
フードに含まれている添加物には「合成(人口)添加物」「天然由来の添加物」の2種類があります。

合成添加物とは、人間が化学物質などを使用し合成をし、人工的に作った添加物です。
フードを長期的に保存する事に特化された成分を含んでいる為天然由来の物よりも保存力が高いです。
天然由来の添加物は、人間の手で合成せず自然に存在する物質です。
保存力は低いですが身体に優しく無害なものがほとんどです。
しかし一言で添加物と言っても種類は様々な為、複数の添加物についてご説明します。

1.着色料
フードの見た目を美味しそうに見せる為に着色料が使用されています。
見た目が美味しそうだと食いつきが良くなるかもしれないと思いがちですが
犬は視覚よりも嗅覚で判断する為食いつきには影響がありません。
天然の原材料を使用するフードは季節や時期などにより色がばらつく事がある為
見た目を整える為に安全性を確認したうえで着色料が使用されています。
着色料の中には、合成着色料と天然着色料の2種類があります。
合成着色料の使用は人間の食品添加物にも含まれている為、使用に関しては
使用量が極めて少なければ健康への影響は無いとされています。

2.香料
フードの香りをより良くしたり、美味しい香りをつける為に使用されています。
着色料で説明した通り犬は嗅覚で美味しさを判断する為食いつきが良くなる事があります。
香料にも着色料と同じく人口と天然の2種類があります。
天然の香料なら食いつきが良くなる事もある為、必ずしも含まれている事が悪いとは限りません。

3.保存料、酸化防止剤
保存料はフードにカビや細菌が繁殖しないように、
酸化防止剤はフードの酸化を防ぐ為に使用されています。
どちらもフードの保存期間を長くする為に使われています。
保存料や酸化防止剤の中には、健康上のリスクが懸念されている物もありますが
腐ってしまった物を食べてしまうのも大きなリスクになる為
フードの品質や安全性を守る為には必要な添加物となります。
酸化防止剤の中には天然由来の物もある為、フード選びの参考にしてみてください。

4.保湿剤
保湿剤とは品質を安定させる為の添加物として
セミモイスト、ソフトドライフード(半生フード)の触感や質感を保つ為に使用されます。
グリセリン・プロピレングリコール・ソルビトールが一般的に使用されています。

プロピレングリコールは猫に対して毒性が強く

キャットフードでの使用が禁止されています。

ウェットタイプのドッグフード等に使用されている為、犬と猫を飼われている方は
必ず猫が間違えて食べてしまう事の無いように気を付けてください。


5.栄養素(ビタミン、ミネラル、アミノ酸等)
ビタミンやミネラルなどの栄養素が添加物として補填されている事もあります。
総合栄養食の中には、犬が健康的に過ごす為に必要な栄養素のほとんどがバランスよく配合されています。
その中で足りない栄養素を添加物で補填という形で調整しています。
これらの栄養素は不足してしまうと逆に健康にとって良くないです。

全ての添加物が身体にとって悪いものだとは言えないですが実際健康に対して
リスクが生じる添加物があるのも事実な為、次は添加物のメリット・デメリットについて複数ご説明します。

【・メリット 】

1.栄養バランス
総合栄養食として販売されているフードは健康に過ごせる為の栄養素がほとんど含まれています。
しかし、原材料だけの栄養素だけではビタミンやミネラルなどが不足しがちになります。
ビタミンやミネラルなどが不足するとどういった事が起こるのか。

(ビタミン)
・疲れが取れにくい・病気にかかりやすくなるなど。

(ミネラル)
・食欲不振になる・貧血になりやすいなど。

これらを補うためにフードやおやつなどに記載されている
ビタミン〇〇、ナトリウム、マグネシウム配合なども添加物になります。


2.安全性の向上
ウェットフードなどは水分を含んでいる為、添加物無しだと菌が発生したり増殖する可能性が高いです。
菌が増殖したフードなどを食べると体調を壊すリスクが高くなりますが添加物を使用する事によって
長期的に保存ができ、開封後も食べる事の出来る期間が長くなります。
しかし保存料、酸化防止剤の中には健康に対するリスクが高い物もある為安全性などを考えフードを選んでください。


【・デメリット 】

1.  発がん性
人口の着色料や酸化防止剤の中には、発がん性のリスクがあると考えられているものがあります。
特に危険性がある物は日本国内で使われていなかったり、極微量ではありますが
保存料のBHAなどが原因で発がん性のリスクがある物があります。
愛犬達の場合、毎日継続して同じ物を食べる為、添加物のリスクを避ける為に
最も注意すべきなのが発がん性物質です。

2.  下痢・嘔吐
先程も説明した通り、発がん性は長期的な摂取により健康リスクがある事や
様々な要因が絡んでくる為、直接的な因果関係が分かりづらい事もありますが
短期的な影響として嘔吐や下痢などが症状として現れることがあります。

リスクが高い物は過剰に摂取した場合に限られますが
代表的な添加物としては亜硝酸ナトリウムという物質があります。
亜硝酸ナトリウムの摂取によって、下痢や嘔吐、吐き気や腹痛といった事を招く事があります。


フードやおやつなどには沢山の添加物が含まれている事は飼い主様もお分かり頂けたと思いますが
次はその添加物の中でも特に気を付けて頂きたい物質について複数ご説明いたします。

【特に気を付けたい添加物】

1.  保湿剤:プロピレングリコール
添加物の種類について説明した通りプロピレングリコールはセミモイスト(半生フード)タイプの
フードに使用されている保湿、殺菌効果を持つ添加物です。
経口摂取では致死量がある添加物ですが、犬の場合少量なら問題ないとされています。
しかし、猫には赤血球に異常が見られたことからキャットフードに使用する事が禁止されています。

海外では、人間に対しての使用禁止や、国によっては完全使用禁止になっている添加物です。

2.  酸化防止剤:エトキシン
エトキシンは酸化防止剤として、ウェットフードなどに使用されています。
強い抗酸化作用を持ち、毒性が強い添加物の為人間に対する食品への使用が禁止されています。
ただ、輸入食材や海外では使用が認められている事もある為、外国産のフードなどには使用されています。
エトキシンは海外のフードメーカーでは使用量が規制されていますが、この決められた値は
WHOが人間が1日あたりに摂取しても良い量の20倍以上が含まれています。
その為、外国産のフードを与える際は注意が必要です。

3.  保存料:亜硝酸ナトリウム
亜硝酸ナトリウムは保存料や着色料として使用されている事が多いです。
主に肉の加工品に使われる事が多い為、肉の変色を防いだり,細菌の繁殖を抑える為に使用されます。
人間用の加工肉に良く使われる添加物で、使用が義務付けられている物質になります。
しかし、亜硝酸ナトリウムは【劇物】で致死量はわずか(0.18~2.5g)です。
皆様一度は聞いた事があるであろう青酸カリですら致死量は0.15gです。
また、肉に含まれるアミンが亜硝酸ナトリウムと化学反応を起こす事で
発がん性のあるニトロソアムンが生成されることがWHOの研究で分かっています。

4.  防腐剤:ソルビン酸カリウム
細菌やカビの発生、、増殖を抑える為に使用されています。
味噌やはんぺん、ワインやお菓子など様々な食品に使用されている為
安全だろう、危険性は無いだろうと思いがちですがそんな事はありません。
ソルビン酸カリウムは、変異原生(遺伝子毒性)や染色体異常との関係性がある事が分かっています。


ここでは特に気を付けたい添加物として数種類を例に挙げ紹介しましたが
危険性のある添加物は調べるとまだまだあります。
毎日継続して口にする物だからこそ、身体にとって
少しでも良い物をあげる事の出来るようにフードを選ぶ際や
今あげているご飯に含まれている添加物について調べてみて下さい。


今回のコーナーでは数種類の添加物や、メリット・デメリットについて説明していますが
一般的に含まれている添加物や、リスク、メリット・デメリットはまだまだあります。
必ずしも無添加が良い、添加物が全て悪い、という事はありません。
添加物を使用する事によって健康維持や品質保持が出来ています。

しかし、リスクの多い添加物が多数あるのも事実です。
添加物同士の組み合わせで健康に悪影響を及ぼす物もまだまだあります。
ですが、無添加だと添加物で補っていた物質を別の形で補ってあげないといけません。
それに伴いフード、おやつの価格は必然的に高くなります。

ですが、ここで1つ注意点があります。
無添加、添加物不使用と表記があっても必ずしも一切使用していないという事はありません。
何か1つ、添加物の中でどれか1つだけでも不使用であれば無添加と記載出来てしまいます。
無添加と記載があっても裏面の原材料欄に目を通して下さい。


最後に、添加物やそれに伴うリスクなどは目に見えない物なので結果や効果がすぐ現れるものではありません。
その為、考え方などは飼い主様によって変わりますが、愛犬の健康を考慮する際には
このポイントを知識の中に入れておいて下さい。

・添加物は目的や役割があって使用されている事がある。

・特に危険性の高い添加物に対しては慎重に考える。
(海外産のフードを与える際は要注意です。)

・添加物の危険性と安全性ともに全体のバランスに注意する。

・無添加、添加物不使用と表記されていても原材料をチェックする。

愛犬達の健康に合わせたフードやおやつを見極め,家族との時間を1日でも長く過ごす為に
愛犬達は自らフードなどを選べない為、飼い主様の正しい知識が必要になります。

LVAMと共に愛犬の毎日をより良い日々にしていきましょう。
商品についてのご質問、要望など少しでも疑問点などがあればお気軽にご連絡下さい。

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